ディフェンス難深刻。 細谷の1000得点達成を勝利で飾れず。復帰のマックレアが32得点で来日最多を更新。
2018-19シーズン第8節(11月7日 横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 90-97 三遠ネオフェニックス
29-26|12-25|23-20|26-26
中地区6位の横浜ビー・コルセアーズは、11月7日ホーム横浜国際プールで同地区5位の三遠ネオフェニックスと闘い7点差で敗れた。ビーコルは4連敗。3勝10敗となり5位三遠との差は「2」となった。
この試合で細谷将司が4Qに3Pシュートを入れ、B1個人通算1000得点を達成した。無名選手から苦労して這い上がった細谷にとって、この1000得点はまだまだ通過点。チームの勝利のために、ここからさらに得点を伸ばす。
「郵便局応援デー」としておこなわれこの試合で横浜ビーコルセアーズは、B1チーム通算入場者数200,000人を達成した。
細谷将司の1000得点を勝利で飾れず、ウィスマンビーコルはまたしても試合を落としてしまった。これで4連敗。改善されたかに見えたディフェンスは、難をまた大きく露呈させている。オフェンスでは、2試合ぶりに復帰したジャボン・マックレアが来日最多を更新する32得点を入れるなどしてチーム今季最多の90得点を入れたが、これを上回る97点もの失点を喫したディフェンス難は深刻になってきた。防戦一方の2Qでは得点も停滞してしまい僅か12得点。ディフェンス難の影響はオフェンスにも及んだ。
この試合でトーマス・ウィスマンHCは、ディフェンス重視で高島一貴を先発起用。川村、高島、エゲケゼ、マックレア、田渡のディフェンシブな布陣を敷いた。高島の先発はSR渋谷戦GAME2以来。この理由についてウィスマンHCは「今日はマンツーマンでスタートするプランだった。そこでマンツーマンが出来る高島選手をスタートで使った。これは、相手のスタートがビッグラインナップでこないことから、サイズを出来る限り合わせようとした意図もあった」
1Q、ビーコルは、川村の2Pシュートで先制すると、マックレア、田渡、エゲケゼの2Pシュートで得点。中盤には8-0のランを決めるなどして29点を奪った。
自身の1000得点達成まであと「6」としていた細谷将司は、残り56秒でインサイドから2Pシュート、残り3秒にはフリースロー1本を決めてあと「3」とした。
オフェンスで快調な滑り出しを見せたビーコルだったが、一方でマンツーマンディフェンスが突破されてイージーシュートを多く許してしまった。1Qは29-26でビーコルが3点のリード。
2Q、昨季ビーコルでプレーしたウィリアム・マクドナルドに手痛い恩返しを受ける。マクドナルドの持ち味であるインサイドアタックを防げず、このクォーターだけで14得点を許してしまった。マンツーマンでディフェンスをスタートさせたビーコルだったが三遠の得点を抑えることが出来ず、2Q終盤以降ではゾーンディフェンスが増えていった。
防戦一方となったことからオフェンスが一気に停滞。このクォーターで入れた得点は、川村、エゲケゼの3Pシュートとマックレアとモリスが沈めた2Pシュートのみ。わずか12得点に留まってしまい三遠に逆転を許してしまった。2Qは12-25。トータルスコア41-51で二桁10点のビハインドを背負ってしまう。
勢いが大きく落ちた2Qについて、ウィスマンHCは「相手が簡単に点を取るために、オフェンスをセットアップ出来なかった。相手のガード陣がトランジションのシチュエーションで、誰もピックアップされず、そのままボールを運ばれて簡単にレイアップにいかれるといったシーンが5回ぐらいあった。こういったシチュエーションがあるということは、外のディフェンスが機能していない証拠。ディフェンスが出来ない時間帯が続いてくると、頭が下がり始めて選手の強度が落ちる。これでオフェンスに悪影響が出た」
ハーフタイムには横浜銀蝿の翔氏が自身の楽曲「I Love横浜 」を生パフォーマンス。この曲は、ビーコルのチアリーダーズB-ROSEがチームのブーストソングとしてパフォーマンスしてきているもの。この日、遂に実現した夢のコラボパフォーマンスに会場は大きく盛り上がった。
3Q、モリス、田渡、川村の2Pシュートなどで追撃。5分には川村が3Pシュートを沈めて9点差に詰める。
7分、ジャンプショットを打った田渡が着地後に転倒して交代するアクシデント。代わって特別指定選手中村太地がコートに立った。
アクシデントは続いた。今度はディフェンスを受けた川村がゴール下で倒れた。苦悶の表情を浮かべた川村は「交代しないよ!交代しないよ!」と訴えてプレーを続行。この直後、痛みを堪えながら執念のダブルクラッチで2Pシュートを沈めた。
中盤以降はマックレアが4本のセカンドチャンスから2Pシュートを沈めるなどして10得点。残り37秒では川村がセカンドチャンスから3Pシュートを沈めて5点差にまで詰め寄ったが、大田に2Pシュートを入れられ7点差にされてしまう。3Qは23-20。トータルスコアは64-71となった。
4Q開始早々に細谷がインサイドに切り込んで2Pシュート。1000得点達成に王手を掛けた。
このクォーターでビーコルはフリースローの得点が多くなったが、6分には川村がインサイドから2Pシュート、4分にマックレアがアウトサイドから2Pシュートを沈めて三遠を追撃。
3分13秒、マックレアのスティールから細谷が柔らかいタッチから3Pシュートを沈めて1000得点を達成。流れを変える肉薄弾にキャプテン細谷は渾身のガッツポーズを見せた。これで5点差、横浜国際プールのムードは一気に盛り上がり、逆転への機運が高まった。
2分に田渡修人に3Pシュートを許して三遠が逃げたが、食らいつくビーコルはマックレアが自身のスティールから2Pシュートを沈めて再び5点差。1分には40歳のベテラン竹田 謙が3Pシュートを沈めて88-91、1ポジェッション差にまで迫った。
しかし、残り48秒にマクドナルドに2Pシュートを許して再び5点差。エゲケゼ、川村が3Pを狙ったが外してしまう。何としても失点を防ぎたいビーコルはファウル覚悟で相手を止めにいき、三遠は得たフリースローを確実に決めた。
残り5秒で、エゲケゼが2Pシュートを沈めて5点差。ビーコルはファウルゲームで執念を見せたが、このフリースローを田渡修人が2本とも入れて7点差にとなり、無念のタイムアップとなった。
ビーコルのスコアリーダーは、自身の来日最多得点を更新する32得点を挙げたジャボン・マックレア(8リバウンド、7スティール)。2番手以降は川村卓也18得点(7アシスト)、エゲケゼ11得点(6リバウンド)、田渡 凌10得点(5アシスト)となった。
2試合ぶりに復帰したマックレアは、オフェンスでハイスコアを挙げた一方で、ディフェンスでは精細を欠いた。マックレアについて、ウィスマンHCは「先週末はディフェンスに特化しているプリンス選手を出したが、これはジャボン選手が足のコンディションを悪くしていたためだった。今日は足の状態が良かったので復帰させたが、試合中、足の痛みからディフェンスが上手く出来ず、インサイドから簡単に点を取られてしまった。今回の復帰はまだ早かったと感じている。オフェンスで32得点を取ってくれたが、それ以上にディフェンスでやられた。これはジャボン選手だけの問題ではない。チーム全体のディフェンスがまだ出来ていないからだ。これを修正しなければならない」と語っている。
またウィスマンHCは、今回の敗戦についてこう語っている。
「今日も97点取られ、毎クォーター20点以上失点した。今日の試合前にはマンツーマンディフェンスをやっていこうという話をして、マンツーマンでスタートしたが結果は97失点だった」
「フィールドゴールも60%近い(59.7%)成功率でシュートを決められてしまった。毎回、相手のチーム平均シュート確率よりも高い数字でシュートを成功されてしまっている。我々のディフェンスはリーグの中で一番下(11月8日時点で1107失点はリーグワースト)。このディフェンスを何とかしないと、この穴から抜け出すことは出来ない。ディフェンスの改善が最優先課題だ」
「ディフェンスが出来るチームというのが私のプライドだが、現時点でこのチームはディフェンスが出来ていない。ここまでディフェンスが出来ないチームは経験がないのだが、何とかこのチームがディフェンス出来るようにしていかなければならない。その答えをしっかりと探していきたい」
次節はまた中2日。今度は大阪へ移動して、4勝9敗で西地区4位の大阪エヴェッサとアウェー2連戦を闘う。非常に短いインターバルで試合消化される中で、コンディションの回復も難しくなってくるが、急務のディフェンス改善が待たれる。
【取材・写真・記事/おおかめともき】
【BOX SCORE / PLAY BY PLAY】11.07 [WED] 横浜ビー・コルセアーズvs三遠ネオフェニックス
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=3097&TAB=P