西地区2位の大阪に4Q途中まで主導権も終盤の接戦落とし前節千葉戦に続く惜敗。
2020-21シーズン第31節(4月28日おおきにアリーナ舞洲)
大阪エヴェッサ 91-85 横浜ビー・コルセアーズ
19-24|18-24|26-20|28-17
【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 4.28 [WED] 大阪エヴェッサ vs 横浜ビー・コルセアーズ】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=6360&TAB=B
横浜ビー・コルセアーズは4月28日、アウェーおおきにアリーナ舞洲で西地区2位の大阪エヴェッサと対戦した。この試合は4月3日と4日に中止になっていた2連戦GAME1の振替試合(GAME2は消滅)。緊急事態宣言の発令から無観客試合でおこなわれた。ビーコルは7点差のスタートから1Q終盤でリードを奪い、4Q途中までリードと主導権を握り続けたが、終盤の接戦を落とし、6点差で前節千葉戦に続いて惜敗した。ここまで16勝40敗。
大阪がフリースローの先制から7−0のランを決めて主導権。ビーコルはベクトンが2Pシュートを決め、7分にはカーターの3Pシュート、チェンバースの2Pシュート2本で反撃に転じる。中盤5分、途中から入ったアウダが3点バスケットカウントを決めて逆転に成功。以降で接戦となり3度の同点を繰り返した。残り2分でカーターのフリースロー2本でビーコルが勝ち越しするとモリス、須藤の2Pシュートでリードを伸ばした。ビーコルはここからディフェンスをゾーンに変更して大阪の得点を抑えるとカーターが2Pシュートを決めて得点を20点台に乗せ、5点リードの24−19で最初のクォーターを終えた。
2Q開始早々にゾーンディフェンスを破った大阪が同点にしたが、好調みせる須藤が3Pシュートを決めてビーコルがすぐさまリードを奪い返す。これでリズムを得たビーコルは、7分で森川が3Pシュートを沈めて得点を30点台に乗せるとモリスが2Pシュートを決めてリードをさらに伸ばした。ディフェンスではゾーンを継続して大阪の得点を封じた。
6分には果敢にインサイドを攻めたアウダがバスケットカウント(フリースローは失敗)を決めると、ゾーンプレスをアクセントにしたディフェンスで大阪を翻弄し、流れを作らせない。中盤5分にはアウダがこのクォーター2本目のバスケットカウント(フリースローは失敗)を奪い、リードを二桁10点にした。4分でストックマン・ジュニアが2Pシュートを続け、モリスのシュートから10−0のランを決めて得点を40点台に乗せた。快調なオフェンスに加え、ゾーンディフェンスで主導権とリードを維持した。
終盤で大阪のシュートが決まり始めたが、ディフェンスの強度を上げて流れを渡さず、残り1分で森川がオープンの状態から3Pシュートを沈めて再び二桁差にした。ここからディフェンスをマンツーマンに変更し、チェンバースが3Pシュートを沈めて11点差。残り1分でひと桁差にされたが、カーターの2Pシュートで二桁差に戻し、11点のリードを持って前半を折り返した。
3Q開始早々にベクトンがインサイドシュートを決めて得点を50点台に乗せるとディフェンスをマンツーマンに変更。さらにはダブルチームも駆使して強度を上げた。7分にはゾーンに戻し、森井が2Pシュート、6分にはカーターがダンクを決めて流れを維持した。中盤5分でベクトンがファウル4つで交代し、大阪にシュートを決められたが、代わって入ったアウダが2Pシュートを入れて嫌な流れを断ち切った。
ビーコルはゾーンとマンツーマンを駆使したチェンジングディフェンスで主導権を守ったが、中盤以降の得点が伸びない。残り2分ではターンオーバーから4点差にされ、大阪に流れが傾いた。ビーコルはアウダが2Pシュート、チェンバースが3Pシュートを決めてオフェンスの流れを取り戻したが、ニュービルに2本の3Pシュートを決められて3点差。残り1分を切ってカーターが2Pシュートを決めてリードは5点になった。
4Q開始早々にチェンバースが3Pシュートを沈めてリードを守る。ビーコルはディフェンスの強度をさらに上げると、7分にはファウルトラブルのベクトンを投入して逃げ切りを図った。6分、ブラウンとニュービルにシュートを続けられて1点差にされると、中村に3点バスケットカウント(フリースローは失敗)を決められ、中盤5分で大阪が逆転。これで流れを得た大阪はニュービルが3Pシュートを決めてビーコルは4点を追いかける展開になった。
ビーコルはゾーンプレスで打開を図り、ベクトンが連続2Pシュートを決めて同点にしたが、3分で中村にオープンから3Pシュートを決められて大阪が再逆転。さらにはニュービルに3Pシュートを決められて6点差に離された。残り2分で森井が3Pシュートで食らいつき3点差にしたが、ここでベクトンがファウルアウト。ここからブラウンに2Pシュートとダンクを続けて許し、残り1分で7点差に離された。
ビーコルはチェンバースが2Pシュートを決めて執念の追撃をみせたが、ニュービルに3Pシュートを決められ8点差。それでもチェンバースが3点バスケットカウントを決めて5点差に詰め、残り31秒でファウルゲームに打って出たが、ここからの反撃も実らず、6点差での敗戦となった。
ビーコルの二桁得点は4人。アキ・チェンバースが3Pシュート3/6本を含む18得点でチーム最多(2リバウンド・2アシスト)。ロバート・カーターが3Pシュート1/6本を含む15得点(9リバウンド・6アシスト・1スティール・1ブロックショット)。パトリック・アウダが14得点(3リバウンド・3アシスト・1ブロックショット)。レジナルド・ベクトンが12得点(7リバウンド・1アシスト・1ブロックショット)を挙げている。
【カイル・ミリングHC試合後会見コメント】
「今日もタフな試合になった。リーグトップクラスのチームとの対戦が続き、前々節のA東京戦の勝利から自信をつけた中での今日の試合だった。全体的にパフォーマンスは良かったが、特にニュービル選手の得点力で差をつけられてしまった。ここ数試合で選手たちの調子は上がってきていて、チームの成長も見られる。今シーズンを良い形で終えるために、次のホーム最終節に向けて切り替えていく」
◇ ◇ ◇
前節では東地区2位の千葉相手に善戦をみせ、大きな自信を持って大阪に乗り込んだ試合だった。その内容は、千葉戦GAME2とほぼ同じ展開となり、共にチャンピオンシップ進出決定がかかる東西の2位チームとの対戦でまたしても惜しい敗戦となり、あと一歩のところで勝利を逃した。
上位チームに対してビーコルは、ディフェンスからオフェンスの流れを生むスタイルを確立させて、実に面白いバスケットボールを魅せてくれている。だが、惜しい試合はもういらない。指揮官も闘う選手たちもそう思っていたし、そして画面越しで闘っていたファン・ブースターも同じ思いだったと思う。
前々節でA東京を倒したゾーンプレスは千葉戦に続いて、この試合でもここぞのアクセントとして使われて機能をみせた。オフェンシブな大阪の得点を封じてリズムを崩させただけでなく、オフェンスのリズムも生んで3Qまで20点台の得点を入れて主導権を握り続けた。
前節千葉戦GAME2と違ったのは、4Qで逆転されてから同点止まりでリードを奪えなかったことだが、この試合でも2位チームの底力を見せつけられた敗戦になり、悔しさがこみ上げる。
だが、大きな悔しさを感じさせるほどに、ビーコルは大きな進化を遂げたのだ。熱血官カイル・ミリングHCのもとでディフェンスは完成の域に達し、強豪と互角に闘える競争力を得ただけでなく、魅せる、胸躍るバスケットボールも併せ持つ、ビーコルの唯一無二のスタイルを確立させた。これは来季に必ず繋がるはずだ。
ビーコルは、Bリーグになってから持つシーズン最多勝利18勝を超える19勝を目指している。ここまでの勝利数は「16」で残り試合はあと3つ。目標を達成させるためには、次節、成績が拮抗している新潟と当たるホーム最終節2連戦とアウェーでのシーズン最終戦A東京戦に全勝しなければならない。
来季フランスリーグに戻るカイルHCのもとで積み上げてきたディフェンスはシーズンの最後でいよいよ開花している。東西2位の千葉と大阪をとことん苦しめたビーコルが、それぞれのプライドをかけたシーズン19勝を目指し、残り3試合での総力戦に挑む。
【記事/おおかめともき・写真提供/©B.LEAGUE】