土壇場8秒でチェンバースのビッグショットで逆転!終始一進一退の接戦をチームとファンで勝利もぎ取る!
2020-21シーズン第36節・ホーム最終節GAME1(4月30日横浜武道館)
横浜ビー・コルセアーズ 87-85 新潟アルビレックスBB
23-24|20-18|19-23|25-20
【BOX SCORE / PLAY BY PLAY 4.30 [FRI] 横浜ビー・コルセアーズ vs 新潟アルビレックスBB】
https://www.bleague.jp/game_detail/?ScheduleKey=6442&TAB=B
横浜ビー・コルセアーズは4月30日、ホーム横浜武道館でホーム最終節のGAME1を新潟アルビレックスBBと対戦した。試合は両チームが終始一進一退の接戦を演じ、スコアチャレンジを繰り返したが、4Q残り8秒でビーコルがアキ・チェンバースの3Pシュートで逆転。以降を守り切って勝利した。ここまで17勝40敗。ビーコルはここまでのシーズン最多勝利記録18勝を超える19勝を目指しているが、明日のGAME2に勝てば18勝に並ぶタイ記録になる。また、ビーコルは昨年7月にオープンしたばかりの横浜武道館では初のホーム開催。その記念すべき最初の試合で歴史に残る勝利を挙げた。
ビーコルは、1Qを1点ビハインドで終えたが、2Qをベクトンを起点にして20点を入れ、ディフェンスではマンツーマンを軸に新潟を18得点に抑えて43−42の1点リードで折り返した。3Qでは今季限りの現役引退を発表している竹田が一時は同点となる3Pシュートを決めたが19得点とスコアが停滞し、新潟に23得点を入れられて3点を追いかける展開になった。
4Qの序盤で6点差に離されたが徐々に追い上げ、カーターが3点バスケットカウントを決めて2点差にすると中盤5分で森川が3Pシュートを沈めて逆転に成功。以降で僅差のリードを守り続けた。残り1分でビーコルは3点のリードを持っていたが、以降でファウルを続けて取られ、新潟はこれで得たフリースロー4本全てを決めて同点から1点を勝ち越しする。
ビーコル1点ビハインドの残り8秒でチェンバースが3Pシュートを沈めてビーコルが土壇場でリード奪う。残り1秒で新潟がフリースロー2本を得たが、横浜武道館のビーコルファンが力の限りに叩いて鳴らしたハリセン“B-CLAP”の轟音が鳴り響き、新潟はフリースロー1本を外す。残り0秒で新潟はファウルゲームを仕掛け、2本のフリースロー得たカーターが1本を決めてビーコルが40分間にわたる接戦を制した。
ビーコルの二桁得点は5人。レジナルド・ベクトンが20得点(8リバウンド・3アシスト・1スティール・1ブロックショット)。ロバート・カーターが3Pシュート1/2本を含む17得点(3リバウンド・6アシスト・1スティール・1ブロックショット)。森川正明が3Pシュート1/1本を含む11得点(3リバウンド)。須藤昂矢が3Pシュート1/2本を含む10得点(2アシスト)。パトリック・アウダが9得点(6リバウンド・4アシスト)を挙げた。
【カイル・ミリングHC試合後会見コメント】
「ここ数試合、かなりタイトなスケジュールだった。新潟とはリーグ内の順位が拮抗しているので、ハードな闘いになると思っていた。パフォーマンスに関してはチーム全員がそれぞれの役割を果たすことができた。5人が二桁得点を挙げ、竹田 謙選手は交代で入ってすぐにビッグショットを決め、エドワード・モリス選手もタフなディフェンスでチームを助けてくれていた。ベンチスタートの選手の活躍がチームの支えになった。ベンチスタート選手のパフォーマンスが上がっていることはチームとして成長していることを証明している。
選手たちはかなり疲労が残っているが、明日も勝利して、チームの最多勝利数を超えられるように準備をしていく。記録を超える19勝をするためには(残り2試合で全勝が必要)、今日のようにファンの方々のサポートも必要になる。
明日のホームゲームが、私が横浜で、ホームゲームの指揮を執ることが最後になる。シーズン当初からとてもいい経験をさせていただいた。日本にいた期間で、日本をとても好きになった。
ここ1週間、最後まで闘い切り、いい形でシーズンを終わろうと選手には伝えていた。技術的な面でも、求めているバスケットをよく体現できていて、シーズンの中でもベストなバスケットボールができている。これまで頑張ってきてくれた選手たちの思いや努力が報われるように、ファンの皆さんやクラブのためにも、明日も勝利していい形で終われるようにしたい」
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「ようやく接戦をものにできた」カイル・ミリングHCが勝利後の選手たちに掛けた言葉だ。その口調は自信に満ち、選手の表情からもチームに確かな強い自信が根付いていることが伺えた。
東地区で8位と9位、成績が拮抗するチーム同士の対戦は、試合でも終始拮抗した大接戦になった。ビーコルは前々節と前節で東西2位チームと善戦を演じた確かな自信を持ってこの試合に臨み、立ち上がりからエナジー溢れるバスケットボールを展開させた。選手たちのその姿に、横浜武道館に駆けつけたビーコルファン・ブースターも呼応するかのようにB-CLAPを叩き、会場には轟音ともいえる凄まじい音が鳴り響いた。
ビーコルは僅差を維持しながら勝負どころの4Qに突入。中盤5分で森川正明が3Pシュートを決めてリードを奪った時、その応援の“音”は耳が痛くなるほどの爆音になっていた。しかし、残り1分でファウルからリードされてしまう。ここからチームが魅せた粘りが素晴らしかった。選手たちは、ビーコルファン・ブースターの猛烈な応援に押されるかのように、いや、応援の波を渡って、残り8秒で、森川正明のパスを受けたアキ・チェンバースが3Pシュートを沈めた。まさに起死回生だった。ビーコルが土壇場で逆転。横浜武道館は割れんばかりの爆音に包まれた。
2点リードで新潟がフリースローを得た時に沸き起こったブースターディフェンスは凄まじかった。新潟は1本を外して、ビーコルはリードを守って逃げ切った。
森川は笑顔でいう「あのブースターのB-CLAPが相手のフリースローのミスを誘った。今日は本当にブースターの皆さんに助けられた。会場の全員で勝ち取った勝利」とビーコルファン・ブースターと共に掴んだ一勝だったことを強調した。
土壇場8秒でビッグショットを決めたアキ・チェンバースはあの3Pシュートをこう振り返る「モリさん(森川正明)が、僕がオープンなのを見ていた。ボールが来た時に『これはもう何も考えずに打たなきゃ』と思った。『入れっ!』と願って打ったら入ったんだ。入って良かった」とはにかんだ。
ホーム最終戦となるGAME2にビーコルが勝てば、ここまでの最多勝利数18勝に並ぶ。チームはこれを超える19勝を狙っている。そのためには残り2試合を全勝しなければならない。チェンバースはいう「可能だと思っている。そのためには一戦、一戦集中して闘うことが必要」と引き締める。
明日は、今季限りで引退する竹田 謙と来季フランスリーグに戻るカイル・ミリングHCのホームラストゲーム。チームには何が何でも勝つんだという強い意思がある。明日の試合後には竹田の引退セレモニーもある。ビーコルは、竹田とカイルHCのホーム最後の試合を絶対に勝って終えるつもりだ。
【記事/おおかめともき・写真提供/©B-CORSAIRS/T.OOkame】